
まったく新しい蒟蒻おやつ「かむこん」ができるまで
お客さまの暮らしや気持ちに寄り添う商品がつくりたい。そんな想いを大切にして進められた、「かむこん」リブランディング・プロジェクト。
商品づくりに全力を注いだ2年間を、開発チームの中心メンバーが振り返ります。

Y.M.
当時入社3年目の若手ながらブランドマネージャーとしてチームをまとめ、ターゲット視点を大切にしたリブランディングをリード。

T.S.
かむこん現ブランドマネージャー。リブランディングでは、豊富な経験に基づくアイデア提案や助言を通して当時のブランドマネージャーをサポート。
かむこんリブランディングStory
味付けした国産蒟蒻を乾燥させた「かむカムこんにゃく」。
ミドルエイジの男性に向けたおやつとして開発され、2009年の発売以来、出荷数量シリーズ累計448万袋(※)を超えるロングセラー商品となりました。
長い歴史の中でお客さま動向の変化やコロナ禍などもあり、リニューアルを検討。ミレニアル世代の女性を新たなターゲットとし、そのライフスタイルに寄り添う商品・ブランドへの刷新を図り、2024年3月「かむこん」へと進化しました。
フレーバーごとに異なる食感や形、4つのラインアップからシーンに合わせて選べる楽しさで、新たなファンを増やしています。
※2009年4月~2024年12月WEB店舗販売合算
はじめの一歩は、お客さまの声をじっくり聞くことから
リブランディングにあたって、どんなことから始めましたか?

まずは、課題の洗い出しと整理です。販路や流通面の現況と課題把握、ECショップの購買動向やユーザーニーズを再確認しました。
さらに、新規顧客層として想定したミレニアル世代の働く女性にもオンラインインタビューを実施。
当社のECショップの主な購入層は40代〜50代ですが、かむこんは30代のお客さまの購入も多くて。
また某コンビニでの売上が好調だったこともあり、ターゲットを若い女性にシフトすれば、さらに伸びるのではないかと考えました。

お客さまの声をダイレクトに反映させる商品開発は、当社では初めての試みでした。
今回のリブランディングは、ECショップでのレビューが増えるなどお客さまとの関係性が深まってきていた時期。
また、社内でブランドマネージャー制が整ってきたタイミングでもありました。
そこで、Yさんがインタビューを通してお客さまニーズをグッと掘り下げ、インサイトを探ったんですよね。
新たなターゲット層へのインタビューから見えてきたのは、どんなことでしたか?

商品を全く知らない人の意見を聞きたくて、友人に声をかけました。
家を出る時間、ランチに食べるもの、コンビニで何を買うかなど、こと細かにヒアリングしていくと、例えば「夜にしっかり食べる日は、お昼はサラダだけにする」など、1日の中で食事の調整をしていることがわかったんです。
「ダイエットしたい」「健康に気をつけたい」と思ってはいても、忙しい日々の中でうまくコントロールできない。
そんなジレンマがあるようで、その解決をかむこんがお手伝いできるのではないか、という気づきがありました。

既存のお客さまへのヒアリングからは、日中にオフィスで利用するケースが多いという結果も得られました。
ただ、従来のラインアップはおつまみ系フレーバーだけだったので、匂いや周囲の視線などが気になるという声も。
そこで、“日中のおやつ”“夜のおつまみ”と、シーンに合わせたフレーバー開発という課題も浮かび上がりましたね。
極限までやわらかく! こだわり抜いて実現した新食感
最終的に4つのフレーバーに絞り込み、ラインアップを一新しました。商品開発について教えてください。

何十種類も試作を重ねて絞り込んでいきました。
「カシス味」は、日中のおやつにふさわしい、すっきりしたフレーバーとして開発。
フルーツ系をいろいろ試す中で目指したのが高級路線です。
一般的なグミと比べると若干価格が高いため、お菓子ではあまり類がなく、かつ高級感のあるカシス味をセレクトしました。
また、女性人気の高い梅味に出汁を加えてマイルドにした「梅かつお味」も自信作です。

今回は形と食感にも目を向けました。これもチャレンジでしたね。

嗜好(しこう)品としてのワクワク感や楽しさを演出したくて、フレーバーごとに形状と食感を変えました。
ダイエットをきっかけに購入される方が多い商品ですが、選ぶ楽しさが加わると、我慢や劣等感というネガティブな感情をポジティブに変えられるのではないかと思って。
食感は調整が難しいんです。目的の食感を出すために、研究開発職と議論を重ねて何十回と微調整を繰り返し、理想の食感を実現できたと思います。

この取り組みによって、技術開発がかなり進みました。
蒟蒻は乾燥させるとバリバリとした食感になります。
従来品はその特性を生かしたかみごたえのある食感で統一していましたが、今回は保湿性を高める原料の配合により各フレーバーに適した食感を実現。
その技術で製法特許を取得しています。

「生ハムチーズ味」の食感には特にこだわりましたね。
極限までやわらかくして本物の生ハムに近づけるため、何度も改良を開発担当者にお願いをしました。担当者には本当に感謝しています。

Yさんに技術面の深い知識がなかったのが、逆によかったんですよ。
技術的に難しいことも粘り強く追求していましたから。
普通の人であれば諦めてしまうところを、若手社員のフレッシュな感覚と、固定観念にとらわれないチャレンジが生んだ商品だと思います。
試作から商品化に向けて苦労した点などはありますか?

工場で製造する上での乾燥の次に、パッキングの課題がありました。
Yさん、何度も現場に足を運んで工場技術の担当者たちと話し合っていましたよね。

特に「生ハムチーズ味」には、工場の人たちもびっくりで。
「こんなにやわらかい商品をどうやってパッキングするんだ?」と…。
品質管理やメンテナンスの担当者とも連携し作戦を練って進めましたが、大切にしたのは「どうしてもこのスペックで世の中に出したい」という熱い想いです。
それを現場にしっかり伝え、皆さんに協力してもらって実現にこぎ着けました。

これをきっかけに新たな設備も導入しましたね。
このプロジェクトが、製造現場での改善推進にもつながりました。
ライフスタイルに寄り添う商品としての新しい顔づくり
新しくなったパッケージも印象的です。デザイン意図やこだわりについて教えてください。

まずこだわったのは、シーン別の色づかい。
昼と夜それぞれのイメージをはっきりさせて、シーンごとに選び分けていただけるパッケージにしようと。
時間によって移り変わる空の色を水彩で表現していますが、これはTさんのアイデアでしたよね。

Yさんは、商品価値を高めるデザインとして化粧品のパッケージを参考にしていましたよね。
そばに置いておきたいと思っていただけるようなパッケージを目指して。
そこで、シーンのイメージをアーティスティックに表現できるよう、水彩の絵画的な要素を取り入れました。
ほかにこだわったのは、「蒟蒻」という漢字表記です。

ユーザー調査では、お菓子の選択基準として素材を重視するというデータがあったほか、
ひらがなで「こんにゃく」と表記していた従来品について「どんな商品かわかりづらい」という意見もあったんです。
他社さんのゼリー商品などで「蒟蒻」という漢字は根付いて、画数の多い独特のカタチはインパクトがあり、素材を印象づけられて新パッケージの雰囲気やターゲットを考えて書体を選びました。
ほかにはない驚きを届けるのが、私たちの商品開発
プロジェクトが完了したときの想い、またお客さまの反響はいかがでしたか?

約2年間、生活のほとんどをかむこんにささげていました。
プライベートでお菓子を食べるときも、パッケージデザインの参考にしたり、商品名の意図を探ったり、ついマーケティング視点を発揮してしまって(笑)。
だから、発売になったときの安堵感は大きかったです。

ECショップでは、販売当初は新しいフレーバーを試してくださったリピーターのお客さまも多かったです。
従来のラインアップから継続した1番人気の「ホタテ味」に加え、「生ハムチーズ味」や「梅かつお味」も売り上げ上位に入ってきています。
「カシス味」も、今までにないグミのような食感を評価していただいています。
改めて、かむこんシリーズのアピールポイントを教えてください。

変えたところはたくさんありますが、変えなかった部分が実は1番のベネフィットです。
それは、1袋約30kcalという点。小さなチョコレート1粒ほどのカロリーで満足感を得られるのが、かむこんです。
生活シーンによって使い分けができるので、女性に限らずどんな方にもぜひこの商品を知っていただきたいですね。
私自身も、夕食後に少し口寂しいときなどに「ホタテ味」や「生ハムチーズ味」を食べています。

採用していただいた店舗では、おつまみカテゴリーの中でコスパのいい商品として評価いただいています。
実際に「生ハムチーズ味」を召し上がって、食感に驚かれるバイヤーの方も多いですよ。
今後の商品展開においても“新食感”を訴求していけたらと思っています。
特許取得の技術を生かして早いスパンで新商品を開発し、販路も拡大していきたいです。

想定しているターゲットに届ける道筋をつくっていきたいですね。
サンプリングやインフルエンサーのマーケティングなどを通して、商品の認知拡大を目指します。

当社の商品開発で重要なのは、「ほかにはない驚き」。
新しい面白さや驚きを感じていただける商品を、今後もつくり続けていきたいですね。