
組織横断で導き出した23年目の答え! 新生「スープ生活」誕生秘話
こだわりの詰まったスープを一人でも多くのお客さまに届けたい。もっと選ばれる商品をつくりたい。そんな思いを胸に、組織横断チームで挑んだスープ生活リブランディング・プロジェクト。さまざまな課題を乗り越えながら導き出した、ブランド23年目の答えとは? チームをけん引したメンバーに、当時の想いを聞きました。

N.W./営業部 企画開発チーム シニアリーダー
リブランディング・プロジェクトでは「スープブランドチーム」のブランドマネージャーとしてチームをけん引。
スープ生活リブランディングStory
2000年に誕生したアスザックフーズの看板商品「スープ生活」。年間270件以上の新商品開発実績(※)で培った豊富な技術力とノウハウを生かして、素材のやさしい味わいを引き出した高品質なスープを提供してきました。ブランド23年目を迎えた2023年には、ユーザーの「本格的な嗜好(しこう)」と「さらなる具材感」へのニーズに応え、家庭では作れないプロの味わいを目指してブランドを一新。「自然の素材で味わうやさしさ」をコンセプトに、素材を引き立てる出汁と具材感に徹底的にこだわり、スープ生活史上最も手間をかけた9つのレシピが誕生しました。
※2023年度実績
市場調査をきっかけに、動きだした23年目の挑戦
リブランディングに取り組むことになったきっかけは?
きっかけは、フリーズドライスープのユーザーを対象に実施した市場調査でした。
この調査を通して、「スープ生活」ブランドに限らず、フリーズドライスープ商品をブランドで選択して購入している人は少なく、フレーバーや価格で選んでいる人が圧倒的に多いことがわかったんです。私自身、企画開発チームの配属になる前は、商品の開発を行うR&Dセンターに所属していたこともあり、1杯のスープのクオリティーを実現するために、いくつもの部署が知恵をしぼり、細部にまで時間をかけてこだわっていることはよく知っていました。
だからこそ、この結果に危機感を覚えましたし、スープの味わいはもちろん、お客さまへの伝え方も含めてブランドを見直す必要があると考えました。
リブランディングにあたっては、組織横断チームを立ち上げたと聞きました。
実は、商品を見直すにあたって、同時に取り組まなければならないさまざまな課題がありました。
リブランディング以前、企画開発チームではユーザーニーズを考慮した上で商品企画を行ってはいたものの、売り場での手に取りやすさなど流通面を十分に考慮できておらず、営業チームが苦労していました。また、ECサイトでの販売も行っていたので、ネット購入のお客さまのご要望を反映させる必要もありました。
これまでの商品開発のあり方に捉われず、多角的な視点で商品を創り上げていく必要がある。そのような考えから、所属先を超えた組織横断の「スープブランドチーム」を立ち上げることにしたんです。メンバーは企画開発・営業・R&Dセンター・WEBチームの計8人です。
どのようなことに取り組まれたのですか?
まず取り組んだのは、自分たち自身を正しく理解すること。
自分たちの強みや想いを、お客さまへしっかりと届けるためには、自分たち自身と向き合う必要があると考えました。
私たちが「おいしい」と感じる味とはどのようなものか?商品はどのようにつくられているのか?お客さまや身近な人に商品を紹介した際、どのような反応がうれしいのか?
さらに、アスザックフーズは社員にとってどのような会社なのか?どのような点に誇りややりがいを感じているのか?これらの問いを通じて、当社や商品に対する取引先やユーザー、社内の見方を整理していきました。
そこから見えてきたのはどのようなことでしたか?
私たち自身が考える当社の強みとしては、国内の乾燥食品メーカーの中でもトップクラスの野菜取り扱い品目数を誇ること。
そして、野菜の自然な味わいを生かしつつ、商品ごとに製造ラインを変えて最適な状態に調整するなど、こだわりを持って商品づくりをしていることです。
また、ユーザーの声からも自然由来の味わいと添加物の少なさに魅力を感じていただいていることがわかり、自分たちの強みについて再認識する非常に良い機会となりました。
すべてにこだわり抜いて、史上最も手間をかけたレシピが誕生!
その強みをどのように商品に落とし込んでいきましたか?
「自然の素材で味わうやさしさ」をコンセプトに、これまでの商品をすべて見直すことにしました。
私たちが目指す「自然の素材を味わう」ためには、シンプルな味付けで素材の良さを引き出すことが重要です。
さらに、素材をどう調理すれば最もおいしくなるか、それぞれの素材を組み合わせたときにどう一体感のある味わいを出せるかが鍵でした。
こだわったポイントは?
特にこだわったのが素材選びです。野菜は旬や産地、切り方によっても味や見た目が異なります。
さまざまなパターンを試しながら、味や見た目のベストバランスを追求しました。また、出汁の取り方や味の設計にも力を注ぎました。
試作品をつくる際には、調味料と具材を合わせて味の方向性やバランスを決める「味合わせ」という工程があります。
通常はR&Dセンターのメンバーが担当しますが、今回のリブランディングでは企画開発チームも参加し、具材や出汁の配合を0.1g単位で調整しました。
その結果、「国産野菜とたまご」「4種のねばねば」「ミネストローネ」など、「スープ生活」史上最も手間をかけた9品のレシピの誕生にこぎつけました。
リーダーとして、どんな想いでプロジェクトに臨まれましたか?
休日に家族と過ごす時間も、さまざまな地域の料理を食べたり、料理本を読んだりしていました。
チームをまとめ、プロジェクトを成功に導くためには、自分の知識を深める必要があるという責任感を持って過ごしていたと思います。
また、ユーザーのニーズに応えることをこれまで以上に意識しました。試作品をランチや間食、朝食など、さまざまなシーンで試食し、商品を飲みたい時のシーンや気持ちを想像しながら改良を重ねました。スープ生活のことを誰よりも考えていたという自信が、プロジェクトを推進する原動力になったと思います。
さらに、高い志と責任感を持って取り組んでくれたチームメンバーの存在も大きかったです。
今回のリブランディングを通じて新しく確立された技術も多く、彼らがその実現のためにどれだけの時間を費やしたかを知っています。
こだわりたいのにうまくいかず、隠れて涙を流しているメンバーもいました。だからこそ、メンバーのためにも、何としてもやり遂げたいという強い想いがありました。
パッケージやロゴもこだわったと聞いています。
競合他社の商品と並ぶ店頭で「いかに選んでもらえるか」を意識し、パッケージにもこだわりました。
新たに作成したブランドロゴは、本社(須坂市)から望む「北信五岳」(飯縄山、黒姫山、戸隠山、斑尾山、妙高山)をかたどった山の上にスープカップをあしらったデザインです。
黒を基調に金色でブランド名を記し、「繊細で本格的な味わい」を表現しました。
商品が並ぶ棚には色鮮やかな競合商品が多く、認知度を上げるために社名を押すべきか、スープであることを強調すべきかは、最後まで迷ったポイント。
最終的には、両方をベストなバランスで打ち出した現在のデザインにたどり着きました。
時代をとらえ、消費者の想像を超える商品を目指して
店頭に並んだ時の印象はどうでしたか?
全ラインナップがずらりと並んだ棚を見たときは、すごく良い商品を世に送り出せたと感じました。
流通業者やユーザーの方々に試食していただいたところ、具材感やシャキシャキとした食感が非常に好評で、原料へのこだわりが伝わる商品になったと確信しました。
特に思い出深い商品はありますか?
「国産野菜とたまご」のスープですね。野菜とたまごのシンプルな具材だからこそ、一つ一つの材料の選定には悩みましたし、青臭さや特定の野菜の味が際立たないように味のバランスを取るのに苦労しました。
野菜との相性で鶏の出汁を使うことに決めましたが、鶏のうま味が強すぎると鶏臭さが出てしまうため、最終的に塩麴を合わせることで一体感のある味に仕上げました。11カ月かけて完成した自信作です。
この商品は、「ジャパン・フードセレクション」で受賞されたそうですね。
「潮仕立て はまぐりのお吸い物」は、一般社団法人日本フードアナリスト協会が主催する「第63回ジャパン・フードセレクション」で、最高賞のグランプリを受賞しました。
こだわり抜いて世に送り出した商品が、リブランディングのタイミングで評価されたことは、大きな自信となりました。
今後の目標について教えてください。
「発売=完成」ではないと考えています。
発売したからこそ見えてきた課題もありますし、現在は物価の高騰などの影響で、消費者の判断基準も大きく変化しています。今後はSNSやインフルエンサーの協力もいただきながら、私たちの想いを発信していくとともに、試食販売などでお客さまとのコミュニケーションを深めながら、スープの味わいやパッケージを進化させていきたいと考えています。
目標は、消費者のニーズを見据えつつ、さらに意外性のある驚きの商品をお届けしていくこと。
これまでフリーズドライに関心のなかった方々にも、興味を持っていただけるような商品づくりを進めていきたいです。